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電磁波の振動方向を表す偏波は、信号の分離、干渉の抑制、探査や解析の多角化などのために重要なパラメーターである。そのため、携帯電話などのさまざまな電子機器に使用される高周波回路の設計や評価、レーダーによる探査、食品やインフラ設備の非破壊検査などでは、電磁波の空間分布を振動方向の異なる偏波ごとに分離して測定するニーズがある。 これまで産総研では、セシウム原子の二重共鳴と呼ばれる現象を利用してセシウム原子にマイクロ波と近赤外光を同時に吸収させて、マイクロ波を近赤外領域の蛍光に変換し、それをCCDカメラで撮像して高速で高解像度にマイクロ波の空間分布を可視化する技術を開発してきた。しかしこの可視化技術では、マイクロ波のすべての偏波を合わせた測定だけが可能であった。今回開発した技術では、セシウム原子が持つ微弱な磁性に注目し、それを精密に制御することでマイクロ波強度の偏波ごとの空間分布を分離して可視化することができる。これによって、これまでに開発した原子の二重共鳴を利用する可視化技術が本来持っていた高速で高解像度という特性を保ったまま、偏波分離イメージング技術を確立できた。今回、原理を実証するためシンプルなマイクロストリップライン(MSL)上の9 GHz帯のマイクロ波のおのおのの偏波に対する可視化を行った。高周波回路やアンテナの設計や検査への応用、インフラ診断や環境測定が可能なマイクロ波カメラの開発、使用できる周波数を拡張して5G/6G通信技術を支援するなど、幅広い応用が期待される。 なお、この技術の詳細は2021年1月18日に学術誌IEEE Transactions on Instrumentation and Measurementのオンライン版に掲載された。 マイクロ波偏波分離イメージング装置の模式図 開発の社会的背景 マイクロ波がどの方向に振動しているかを示す偏波の特性を利用することで、信号の分離、干渉の抑制が可能になる。また、単なる強度に加えて多角的な空間の情報を加えることで探査や分析を深化させることができる。したがって、高周波回路やアンテナの製造、高周波デバイスの放射試験、レーダーによる探査、食品やインフラ設備の非破壊検査などでは、しばしばマイクロ波を偏波ごとに測定し、さらに空間分布を可視化する必要に迫られる。 これまで、マイクロ波を偏波ごとに可視化する技術は多くなく、偏波分離性を持たせた微小アンテナや光電界センサーなどの小型センサーを走査して得られる強度分布と位置情報を合成してマッピングする方式や、複数のアンテナを線状や面状に配置するアレイアンテナを用いる方式などが試みられてきた。しかし、偏波ごとの測定や走査に時間がかかることや、アンテナの寸法によって測定時間や解像度が制限されることなどの課題があり、高速で高解像度に可視化することはできなかった。   研究の経緯 産総研では以前から蓄積されてきたマイクロ波強度の精密計測技術や原子を利用した電磁波測定技術を基にして、近年、セシウム原子の蛍光を利用したマイクロ波の高速で高解像度の可視化技術の開発に取り組んできた。しかし、これまではマイクロ波のすべての偏波を合成して観測することしかできず、偏波分離という面では従来の微小アンテナやセンサーを走査またはアレイ化する方法に追いついていなかった。そこで今回、セシウム原子が持つ微弱な磁性を利用して異なる偏波のマイクロ波を分離して可視化する技術の開発に取り組んだ。 なお、今回の開発は、独立行政法人 日本学術振興会(JSPS)の科学研究費助成事業「セシウム原子を用いたマイクロ波およびテラヘルツ波の精密計測技術に関する研究」(2018~2022年度)による支援を受けて行った。   研究の内容 産総研ではこれまでに、原子の共鳴現象を利用する方法によって、マイクロ波を可視化する技術を開発してきた。この技術は原理上原子種によらずマイクロ波と可視光付近の電磁波を吸収する原子であれば適用できるが、今回は9 GHz帯のマイクロ波と波長852 nm(352 THz)の近赤外光を吸収するセシウム原子を用いた。近赤外光を吸収したセシウム原子は瞬時に近赤外領域の蛍光を放射する。図1に蛍光を利用したマイクロ波可視化の原理を示す。セシウム原子の基底状態には2つのエネルギー準位があり、波長を精密に制御し安定化した近赤外レーザーを照射すれば、上の準位にある原子だけに選択的に近赤外光を吸収させて、その原子から近赤外領域の蛍光を放射させることができる。図1(a)は気体のセシウム原子に近赤外レーザーだけを照射した場合で、近赤外光を吸収する原子は少数のため、蛍光量も少ない。図1(b)は(a)にマイクロ波を加えた場合で、多くの原子がマイクロ波を吸収して上の準位に移り、近赤外光を吸収できるようになって蛍光を放射するので、マイクロ波の強度に比例して蛍光量が増える。つまり、マイクロ波の強度がセシウム原子の蛍光量に変換されることになる。波長852 nmの近赤外光の蛍光はCCDカメラなどで撮影できるため、マイクロ波の強度分布が近赤外光の画像として得られる。マイクロ波の吸収から近赤外光の吸収を経て、蛍光に至る過程は1000分の1秒以下で生じるので、高速測定が可能となる。 ここで、セシウム原子が持つ微弱な磁性を利用することで、マイクロ波の特定の偏波だけを吸収させることができる。セシウム原子に静磁場をかけると、原子が持つ磁気の強さに応じて原子の向きを揃えることができる。向きが揃えられた原子はその向きによって共鳴するマイクロ波の偏波と周波数がそれぞれ異なるため、マイクロ波の周波数を精密に制御することで、静磁場に平行な方向に振動するマイクロ波のみを吸収させる偏波分離が可能となる。この原理によって、ある方向に静磁場をかけて、その静磁場と平行な磁場のマイクロ波の偏波成分だけを可視化できる。今回この原理を実証するために、3軸コイルを用いて原子周辺の静磁場の方向と大きさを精密に制御し、鏡の角度を変調することで広範囲に均一なレーザー光を照射できるようにし、散乱や不要放射を除去するための電磁的な環境を整えた。さらに微弱な蛍光を観測するため高感度な近赤外線カメラを用いた。 図1 マイクロ波可視化の原理 図2は今回開発したマイクロ波偏波分離イメージング装置の模式図とMSLの写真を示す。内寸法100 mm × 100 mm × 10 mmのガラスセルに気体のセシウム原子を封入した二重共鳴イメージングセルを、マイクロ波を発生するMSL上に配置する。今回の測定では、理論の検証を容易にするため最もシンプルな形状のMSLを用いたが、原理上は任意の形状に適用できる。セシウム原子の蛍光は、MSLの上のCCDカメラで撮像される。MSLの外側には3軸コイルを配置し、静磁場の方向と大きさを制御して、セシウム原子にかかる残留磁場や地磁気の影響をキャンセルしている。また、x軸、y軸、z軸の任意の方向に静磁場を発生させることもできる。近赤外レーザーは、ビーム径を約5 mmとし、レーザーを導く鏡の角度を変調して二重共鳴イメージングセル全面を照射できるので、セル全面の可視化像が得られる。 図2 マイクロ波偏波分離イメージング装置の模式図(左)とMSLの写真(右) 図3に、マイクロ波可視化像の例を示す。MSLは二重共鳴イメージングセルの中央を縦方向に横切るように配置してある。図3(a)から(d)は、マイクロ波を加えた時の蛍光強度から、マイクロ波を加えないときの蛍光強度を差し引いて得られたマイクロ波可視化像である。(a)、(b)、(c)は3軸コイルによる静磁場をそれぞれx軸、y軸、z軸の方向にかけた場合の像で、(d)はそれらの偏波成分を合成した振幅である。それぞれ、x軸、y軸、z軸方向のマイクロ波の磁場の偏波成分と、それらを合成したマイクロ波の強度を示している。MSLの終端を開放していることや二重共鳴イメージングセルによる誘電率の変化のために生じた定在波が反映されて、マイクロ波の可視化像は複雑な明暗模様を示している。また、マイクロ波可視化像には偏波ごとの定在波模様の特徴的な差もよく現れている。例えば、MSLの真上(マイクロ波可視化像の中央を縦断)にはy軸方向の磁場の偏波成分だけがあることがわかる。今回開発した技術は、従来のアンテナを用いた可視化技術では困難であった、マイクロ波の定在波の周期(MSL上では約11 mm)以下の解像度を持つことが示された。 図4は電磁界シミュレーターで計算されたマイクロ波の分布で、(a)はx成分、(b)はy成分、(c)はz成分、(d)はそれらの合成振幅である。今回測定した可視化像(図3)は定性的に計算結果と一致していることがわかる。今まで実測が難しいためマイクロ波アプリケーションの設計や診断ではシミュレーションによる推測しかできなかったが、今回の技術では現象を実測することができる。 今回は原理の実証のため、シンプルなMSLを用いて、セシウム原子との共鳴が容易な9 GHzのマイクロ波を対象としたが、さまざまな平面回路上や導波管の内部、アンテナから放射されるマイクロ波などにも適用可能である。マイクロ波強度や偏波成分の空間分布を高解像度で測定することで、高周波基板やアンテナの設計・開発、外部からの望まないマイクロ波の混入などによる誤作動に関する問題解決に貢献できる。また、二重共鳴イメージングセルを撮像素子とした「マイクロ波カメラ」など、さまざまな新技術への応用が期待される。さらに今回開発した技術は、原子の種類やエネルギー状態を適切に選定し、加える静磁場の強さと方向、蛍光を誘起するレーザーの波長などを精密に制御すれば、kHz帯からTHz帯の幅広い周波数範囲の電磁波に適用できると考えられる。もしも、これらの周波数帯を網羅できれば、5G/6G世代に対応した通信技術、探査、電子計算などに用いられる電子部品の電磁波分布測定、室内や自動車内などでの電磁波の散乱測定への応用が見込まれる。 図3 実測したマイクロ波可視化像 図4 シミュレーションによるマイクロ波の偏波成分   今後の予定 今後は、原子にかける静磁場の強度や利用するセシウム原子のエネルギー準位を適切に選ぶことで、9 GHz以外の周波数への応用も目指す。また、レーザーを立体的に照射することでマイクロ波強度分布の立体的な可視化にも取り組む。 用語の説明 ◆偏波 電磁波は電場(電界)や磁場(磁界)が進行方向に対して垂直に振動する横波である。これらの振動の方向や軌跡の分類を偏波といい、直線上に振動する直線偏波の場合、地表や回路基板などを基準として水平偏波・垂直偏波に分類される。他にも、3方向の直線偏波の合成で表せる円偏波・楕円偏波などがある。[参照元へ戻る] ◆セシウム原子 原子番号55番で、アルカリ金属に属する元素である。今回開発した測定技術では、原子時計などにも利用されている、安定同位体のセシウム133を用いた。[参照元へ戻る] ◆二重共鳴 原子のエネルギー準位は、離散的ではあるが、さまざまな電磁波と共鳴する。その中から適切な2つの電磁波を選ぶと、一方の電磁波を吸収した原子が、他方の電磁波を吸収できる状態に遷移するという二段階の吸収過程を構築することができる。このような二段階のリレー方式により、一方の電磁波をトリガーとして他方の電磁波の吸収の可否を制御できる。[参照元へ戻る] ◆蛍光 励起状態から基底状態へ緩和するときに失うエネルギーを、光として放射したもの。今回は、波長852 nmのレーザーで励起されたセシウム原子が緩和するときに同等の波長852 nmの近赤外光を蛍光として発する。この様な場合は特に、共鳴蛍光とも呼ばれる。[参照元へ戻る] ◆マイクロストリップライン 裏面に導体面を設けた誘電体基板の表面に、線上の導体膜で形成した高周波伝送路。簡素な構造でさまざまな回路パターンが実現できるため、高周波回路に広く応用されている。[参照元へ戻る] ◆アレイアンテナ 複数のアンテナを、線状または面状に配列したもの。マイクロ波の空間分布を同時に取得できる。[参照元へ戻る] ◆3軸コイル 通常、実験室には地磁気や磁石を利用した装置類による残留磁場があるため、原子の量子状態が変化してしまう。今回の技術では、残留磁場が無い状態が望ましいため、木枠に長方形型に巻いた3対のコイルを3軸上に配置し、二重共鳴イメージングセルをその中心に置いた。セシウムの量子状態を観測しながらそれぞれのコイル電流を調整して、セル周辺の磁場の向きや大きさを任意に制御できる。[参照元へ戻る] お問い合わせお問い合わせフォーム 産総研について アクセス 調達情報 研究成果検索 採用情報 報道・マスコミの方へ メディアライブラリー お問い合わせ English ニュース お知らせ一覧 研究成果一覧 イベント一覧 受賞一覧 研究者の方へ はじめての方へ 研究成果検索 研究情報データベース お問い合わせ 採用情報 ビジネスの方へ はじめての方へ 研究成果検索 事例紹介 協業・提携のご案内 お問い合わせ AIST Solutions 一般の方へ はじめての方へ イベント情報 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