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Niinomi, T. Yamazaki, H. Nada, T. Hama, A. Kouchi, J. T. Okada, J. Nozawa, S. Uda, and Y. Kimura DOI:https://doi.org/10.1021/acs.jpclett.0c01907   共同研究機関および助成 本成果は、東北大学金属材料研究所の新家寛正助教、宇田聡教授、岡田純平准教授、野澤純助教、北海道大学低温科学研究所の木村勇気准教授、山崎智也日本学術振興会特別研究員、香内晃教授、産業技術総合研究所環境創生研究部門の灘浩樹主任研究員と東京大学大学院総合文化研究科先進科学研究機構/同研究科広域科学専攻の羽馬哲也准教授との共同研究によるものです。また本研究は、北海道大学低温科学研究所共同利用・共同研究課題番号18K001の支援を受けて実際されました。 専門用語解説 ※1アンビル型高圧発生装置 2つの尖頭状に成型された硬質な物質(アンビル)の尖頭部同士を押し当てプレスすることで先頭部に高圧を発生させる装置です。硬質な物質としてダイヤモンドやサファイアなどが用いられます。実際には、ガスケットと呼ばれる小さな穴の空いた金属板内部に試料を導入し、ガスケット穴にある試料を2対のアンビルで挟み込みプレスすることで高圧状態を創り出します。本研究では、アンビル、ガスケット、試料にそれぞれサファイア、銅、水を使用しました。[参照元へ戻る] ※2氷III 氷の多形の一種です。ダイヤモンドと黒鉛の関係のように、同じ化学組成を持ちながらも異なる結晶構造をもつものを多形と言います。私たちが普段目にする氷は氷Ihと呼ばれ、六角柱状の格子を基本構造としています。一方で、今回観察を行った低温高圧環境下(−20°C 、248MPa)で生成する氷は、立方体を基本構造としており、結晶構造の異なる他の多形と区別するために、氷IIIと呼ばれています。[参照元へ戻る] ※3偏光顕微鏡 通常の光ではなく直線偏光を照明に使用することで、通常の顕微鏡では観察できない、観察試料の偏光及び複屈折特性を可視化できる顕微鏡です。[参照元へ戻る] ※4氷VI 今回観察を行った常温高圧環境下(25°C 、954MPa)で生成する、底面が正方形の直方体を基本構造とする氷の多形の一種です。[参照元へ戻る] ※5レーザー干渉計 異なる二つの光路を経たレーザー光を互いに干渉させ発生する干渉縞の変化により二つの光路中の媒質の光学的な違いを調べる計測器です。二つの光の内、一方には測定試料を配置し、もう片方をブランクとすることで、測定試料の光学的性質を反映した干渉縞を得ることができます。通常の光学顕微鏡では検知することのできない小さな屈折率差も鋭敏に検知することができます。[参照元へ戻る] ※6液-液臨界点 一成分系液体における二種類の液体間の液体-液体相転移線が途切れる温度・圧力状態図上での点です。液-液相分離を示す二種類の液体は、液-液臨界点以下ではそれぞれ均質な相として明確に区別されます。その一方で、液-液臨界点を超えると二種類の液体を相として明確に区別することができなくなり、両者の構造が空間・時間ともに揺らぐ状態をとります。水の物性異常は、低温高圧環境下で水が高密度液体と低密度液体へ液-液相分離する液-液臨界点を仮定することで説明されています。[参照元へ戻る] お問い合わせお問い合わせフォーム 産総研について アクセス 調達情報 研究成果検索 採用情報 報道・マスコミの方へ メディアライブラリー お問い合わせ English ニュース お知らせ一覧 研究成果一覧 イベント一覧 受賞一覧 研究者の方へ はじめての方へ 研究成果検索 研究情報データベース お問い合わせ 採用情報 ビジネスの方へ はじめての方へ 研究成果検索 事例紹介 協業・提携のご案内 お問い合わせ AIST Solutions 一般の方へ はじめての方へ イベント情報 スペシャルコンテンツ 採用情報 お問い合わせ 記事検索 産総研マガジンとは 公式SNS @AIST_JP 産総研チャンネル 公式SNS @AIST_JP 産総研 チャンネル サイトマップ このサイトについて プライバシーポリシー 個人情報保護の推進 国立研究開発法人産業技術総合研究所 Copyright © National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) (Japan Corporate Number 7010005005425). 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