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21世紀中に世界の水資源と水利用はどのように変わっていくのでしょうか。地域の平均的な水資源の量は、主に気候(気温や降水)によって決まります。ここで、地球温暖化が進むほど気候は大きく変わっていくことを踏まえると、将来の水資源の変化は今後の温室効果ガスの排出量によって決まるとも言えます。次に水利用量は人口や経済活動、節水等の技術革新によって決まります。つまり、将来の水資源と水利用の変化を分析するには、まず将来の温室効果ガスの排出量や社会・経済・技術の情報が必要なのですが、これらを正確に予測することは不可能です。そこで今回は「シナリオアプローチ」という方法を使いました。  シナリオアプローチは起こり得る将来の具体的な想定(シナリオ)をいくつか用意し、シナリオごとにコンピュータシミュレーションなどを利用して分析を進める方法です。例えば、2060年の日本の人口をぴたりと予測することはできませんが、およそ8000万人から9500万人までの間になると分かっているとしたら、8000万人、9500万人、間をとって8750万人、の3通りを想定し、それぞれの場合について分析するという具合です。シナリオアプローチによって得られた結果は予測(prediction)とは異なるので、本稿では見通し(projection)と呼ぶことにします。  今回、世界の水利用を見通すために利用した社会・経済・技術のシナリオは、Shared Socio-economic Pathways(SSP)というものです。SSPは世界中の研究者が共同作業し、2012年頃に骨格が定まった最先端のシナリオで、今後、温暖化研究で世界的に使われていくと見込まれています。SSPには5つのシナリオがあり(表1)、例えばSSP1は「持続可能」で代表される特徴が、SSP3は「分裂」で代表される特徴があります。国別の人口・GDPや発電量などの具体的な社会経済指標もシナリオごとに、2005年から2100年まで提供されています。ただし、水利用がどう変化するかは提供されていなかったため、農業・工業・生活用水に関する水需要モデルを開発し、SSPの5つのシナリオに沿って、将来の世界の国別の水利用量を推定しました(図1)。例えばSSP3のシナリオでは、SSP1と比べて、農業・工業・都市用水の全てにおいて水利用の伸びが大きくなる結果となりました。これは、表1にあるとおり、SSP3のシナリオでは技術進歩が遅くて節水が進まないこと、人口がより多く増えて水需要が大きくなりがちなことなどが反映されています。 表1 5つの社会・経済・技術シナリオ(SSP)の説明 図1 5つの社会・経済・技術シナリオ(SSP1~5)に沿って見通した世界全体の工業用水、都市用水、農業用水の利用量の見通し単位は立方キロメートル/年。見通しは国別に行っているが、世界全体の合計値のみを示す。農業用水だけ2025年頃の見通しを行っていない。  SSPの5つのシナリオでは、それぞれ異なる量の温室効果ガスが排出され、温暖化が進行し、気候(気温や降水)が変化していきます。将来の気候の見通しに基づいて全球水資源モデル(前回の研究ノートに説明があります)で水循環のシミュレーションをすることにより、それぞれのシナリオに対して、将来の水資源量を見通しました。この見通しは、世界の陸地を約50km四方の格子ごとに区切り、1日ごとに行いました。こうすることで川の途中で水をくみ上げる効果や雨期と乾期での流れの変化などを分析に取り入れることができます。  このようにしてSSPの5つのシナリオに沿った水資源と水利用の包括的なコンピュータシミュレーションを行いました。その結果を「1年間を通して、使いたい時に使いたい量の水が河川から取れるか」を表す指標(前回の研究ノートに説明があります)に注意して見てみましょう。図2の左上の1枚の図は2000年頃の指標の分布を示しています。アフリカの北部からインドにかけての広い地域や中国の北部などが赤で示されており、これらの地域では使いたい時に使いたい量の水を河川から取りにくいことが分かります。この原因は、雨が少なかったり、雨期が短い期間に集中したりしていること、あるいは人口や灌漑農地が集中して水利用が大きいことが主な原因です。図2の残りの5枚の図はそれぞれのシナリオに対して、2055年頃の状況が2000年頃より改善するか(指標が大きくなると改善)、悪化するか(指標が小さくなると悪化)を示したものです。まずSSP3(分裂の世界)を見ると、アジアやアメリカを含む多くの地域が濃い赤で示されています。これは現在よりも水不足がひどく悪化し、必要な時に必要な量の水が得にくくなることを示しています。次にSSP1(持続可能な世界)を見ると、アフリカ以外のほとんどのところは白く示されています。これは、現在から水不足が悪化しないことを示しています。ここで、SSP1~SSP5の全てでアフリカの指標が悪化するのは、温暖化の影響に加え、人口や経済活動の伸びにより、水利用量の急増が避けられないことが原因です。5つのシナリオのうち、持続可能を目指すSSP1では21世紀中の水不足を現在くらいで抑えられること、それ以外では水不足が現在よりも悪化することから、温暖化と持続可能社会転換への地球規模の対応が重要だということが示唆されます。 図2 左上の1枚(a)は西暦2000年における「必要な時に必要な量の水が得られるか」を0から1の間の値で示した指標赤が濃い(値が小さい)ほど、水不足が深刻なことを示す。残りの5枚(b~f)はSSP1~SSP5の5つのシナリオに対して2055年頃の指標が2000年の指標からどれだけ変化するかを示したもの。赤(負の値)は水逼迫が悪化することを、青(正の値)は改善することを示す。白は水逼迫が現在と変わらないことを示す。 研究2:全球水資源モデルの公開  研究1で利用された全球水資源モデルですが、地球温暖化以外のさまざまな地球環境研究に応用できます。一方で、改良が必要な課題もたくさん残っています。世界中の研究者に利用してもらうため、また、改良を手伝ってもらうため、2013年4月より全球水資源モデルの技術情報の公開を始めました(http://h08.nies.go.jp)。公開の中心はソースコードとマニュアルです。ソースコードというのは、コンピュータソフトウェアの設計図にあたるもので、ソースコードを書き換えることにより、ソフトウェアの性能を変えたり、新しい機能を加えたりすることができます。マニュアルは全球水資源モデルの基本的な動かし方や、分析のし方などを分かりやすく解説したもので、日本語と英語で用意されています。これらの公開により、研究者なら誰でも全球水資源モデルのソースコードを自由に変えて研究できるようになりました(詳しくは利用約款をご覧ください)。  公開に先立ち、世界全体だけでなく、特定の流域に対してもモデルが使えるよう、ソースコードの改良も行いました。現在までに、タイ、インド・バングラデシュ、トルコ、韓国などの河川での利用が始まっています。特にタイでの利用は現地の官公庁の技術者や日本の学生を含む多くの人々による開発と利用が進んでおり、2011年のタイ・チャオプラヤ川の大洪水の再現シミュレーションなどで大きな成果を挙げています。 (はなさき なおた、地球環境研究センター 気候変動リスク研究室 主任研究員) 執筆者プロフィール 最近、パパになりました。毎日夕方6時前に保育園にお迎えに行くのが日課です。夕方、抱っこひもで近所を歩いていると、道行く人がいろいろと話かけてくれます。まだ言葉も話せない子供がつくってくれた地元のみなさんとのふれあいを楽しんでいます。 目次 地球規模で長期の気候変動リスクにどう向き合うか 地球規模の気候変動リスクに対する人類の選択肢 — ICA-RUS プロジェクト報告書第一版より— ネガティブ・エミッションの達成にむけた全球炭素管理 国立環境研究所における高病原性鳥インフルエンザウイルスの全国調査 木漏れ日便り 第4回国立環境研究所絵画コンテスト 「環境のために今、自分ができること」 表彰 新刊紹介 編集後記 関連新着情報 2023年12月6日温暖化による生物の分布拡大が在来種に及ぼす影響を評価 トンボをモデルに温度上昇で在来種の採餌量が減少することを解明 (大阪科学・大学記者クラブ、農政クラブ、農林記者会、文部科学記者会、科学記者会、環境記者会、環境問題研究会、東大阪市政記者クラブ、奈良県政・経済記者クラブ、奈良県文化教育記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、弘前記者会同時配付) 2022年10月27日高温耐性を持った水稲品種の開発・導入基準を解明 —温暖化による水稲品質低下を防ぐ—(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会、文部科学記者会、科学記者会、茨城県政記者クラブ同時配付) 2022年4月7日夏季五輪マラソンへの気候変動による暑熱の影響と複数の適応策がもたらす効果を明らかにしました(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、環境記者会同時配付) 2019年11月27日温暖化で高山生態系の逃げ場がなくなる恐れ —気候変動速度(VoCC)の指標を用いて  全国各地の気候変動の影響を初めて推計—(長野県庁 県政記者クラブ、筑波研究学園都市記者会、林政記者クラブ、農政クラブ、農林記者会、京都府政記者室・クラブ、環境省記者クラブ、環境記者会、農業技術クラブ同時配付) 2017年12月15日乾燥・半乾燥地域における環境脆弱性及び適応策に関する国際ワークショップのご案内【終了しました】 2017年10月18日 タケ、北日本で分布拡大のおそれ ~里山管理の脅威になっているモウソウチクとマダケ(産業管理外来種)の生育に適した環境は温暖化で拡大し、最大500km北上し稚内に到達~(宮城県政記者会、科学記者会、文部科学記者会、大学記者会、京都大学記者クラブ、環境省記者クラブ、環境記者会、筑波研究学園都市記者会、気象庁記者クラブ同時配付) 2017年10月6日「土壌は温暖化を加速するのか?─アジアの森林土壌が握る膨大な炭素の将来」 国立環境研究所「環境儀」第66号の刊行について(お知らせ)(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ同時配付) 2017年9月25日     北極に運ばれるブラックカーボンはどこからくる?〜地上ではロシアから、上空ではアジアからが多いことが判明〜 (お知らせ)(筑波研究学園都市記者会、環境省記者クラブ、文部科学記者会、科学記者会同時配付) 全てを見る 閉じる 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2012年12月28日全球水資源モデルとの統合を目的とした水需要モデル及び貿易モデルの開発と長期シナリオ分析への適用(特別研究) 平成21~23年度国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-104-2012 2002年9月30日環境低負荷型・資源循環型の水環境改善システムに関する調査研究(特別研究) 平成12〜13年度国立環境研究所特別研究報告 SR-45-2002 国環研について 研究所概要 組織紹介 研究者紹介 研究所基本文書 研究所マップ 所外実験施設 調達・契約 採用案内 研究所の環境配慮 政策貢献 環境情報メディア「環境展望台」 情報公開 個人情報保護 情報セキュリティ対策 遺伝資源へのアクセスと利益配分(ABS)への対応 研究倫理 研究紹介 研究分野 戦略的研究プログラム 国の計画に基づき中長期計画期間を超えて実施する事業 研究成果 データベース/ツール 研究プロジェクト等のページ 研究計画・研究評価 外部連携 受託業務 委託業務 共同研究 地環研等との共同研究 全国環境研究所交流シンポジウム 環境研究機関連絡会 知的所有権(特許等) 研究シーズ集 国環研ベンチャー 研究試料の有償分譲 国際連携・国際活動 連携大学院 社会との対話・協働 寄附金 広報活動 研究所紹介パンフレット/動画 報道発表 イベント情報 見学について 国立環境研究所一般公開 国立環境研究所公開シンポジウム 刊行物一覧 Webマガジン「国環研View」 環境問題をわかりやすく 小・中・高校生の方へ メールマガジン SNS一覧 このホームページについて ソーシャルメディアポリシー プライバシーポリシー 関連リンク © 2022 National Institute for Environmental Studies -->

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